ケリング本社のトップ人事変更
久しぶりに高級ブランド業界の、トップ人事に関して大きなニュースが飛び込んできました。
以下KEIRNGの公式サイトから引用したもの、を記載します。
2015年よりグッチの社長兼CEOを務め、2012年よりケリングのエグゼクティブ・コミッティーのメンバーであるマルコ・ビッザーリは、2023年9月23日をもって同社を退任。現在ケリング・グループのマネージング・ディレクターを務めるジャン=フランソワ・パルーは、グッチの影響力とその攻勢の再構築、また将来に向けたリーダーシップと組織構成の遂行を任務とし、同社の社長兼CEOに暫定的に就任しました。
ケリングが管理体制と経営を強化 | Kering
マルコ・ビッザーリはブランド業界ではかなり有名なCEOであり、少し前までのグッチの絶好調を支えていたのは、彼が見出したとされるクリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレのデザインによるものが大きい、と言うのが一般的な見方です。
しかしながら、アレッサンドロ・ミケーレが退任して、グッチの一時代が終わりを告げ、次のステージがどうなるか、と注視している中での今度はCEOの退任。これを以て、マルコ・ビッザーリとアレッサンドロ・ミケーレの体制が完全に終焉を迎えたと言えます。
同アナウンスによると、ジャン=フランソワ・パルーは暫定とあるので、後任については選定中という事になると思います。個人的にはこのグッチの後任CEOに誰が来るのか、という点はKERINGの中でも最大ブランドであるグッチの戦略を左右する、という意味では非常に気になるところではあります。
クリエイティブディレクターという事であれば、より大規模のブランドにジャンプアップというのはそこまで珍しくなく、例えばヴァレンティノからクリスチャン・ディオールのウィメンズのクリエイティブディレクターに就任した、マリア・グラツィア・キウリの例もあります。
しかしながら、CEOレベルになると、なかなかジャンプアップのケースは少なく、同じ規模の会社から、というのが素直な見方だと思います。そうすると、LVMHグループ、リシュモングループ若しくは、単独ブランドでの存在感を見せている、シャネル・プラダなどから、というのが可能性が高いように思います。ただ、LVMHもトップのルイヴィトン及びディオールがCEO交代したばかりで、そこは外れると考えると、同グループのセリーヌ、フェンディ若しくは、リシュモン、シャネル、プラダが個人的には可能性が高いように思います。
こちらは、引き続き注視していきたいので、新しいCEOが確定した際に、どのような戦略になると推察されるか、というところを過去の経歴とともに見ていきたいと思います。