コラム

外資系の税務論点 – その4 配当

今回は外資系における配当について、ブログにて記載してみようと思います。利益が出ていない会社は別にして、利益の出ている会社はほぼ必ずこの論点に直面すると思います。

配当のプロセスだけを見ると非常にシンプルです。決算書の承認の際に、配当の決議も併せて受け、それどおりに支払うだけとなります。では何が問題になるか、というと租税条約の届出になります。租税条約締結国である、という前提がありますが、この届出を提出することで配当の源泉税の減免を受けられるます。ちなみに、特典条項を受ける場合は、様式17の特典条項に対する付表も併せて提出が必要な点は、抜けがちなので初めて提出の場合は、要注意になります。

もし、外資系のアカウンティングマネージャーでこの配当の租税条約自体を知らず、となるとテクニカルスキルがだいぶ不安になる部分ではあります。配当は通常金額が通常のベンダーへの支払いなどと比較して、巨額になりがちなので、届出忘れた場合の影響が大きく、絶対にケアしたい部分になります。

あとは、意外と抜けがちなのが、日銀への届出になります。具体的には「支払又は支払の受領に関する報告書」、になりますがこちらの提出が必要になりますが、通常は銀行から求められると思います。念のため、日銀のリンク先も掲載しておきます。

「支払又は支払の受領に関する報告書」の報告概要 : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)

また、会計論点ではないですが、配当という意味では同じく抜けがちなのが、送金限度額の観点です。通常、E-bankingを利用している場合、銀行との契約で1日の送金限度が決まっていますが、配当の額がそれを超えてしまい、送金の段階で引っかかってしまった、という例を何回か聞いた事があります。

ぜひ、このあたりを気をつけてプロセスを進めて頂ければと思います。