コラム

外資系経理 – 正社員・派遣・契約社員・業務委託の違い

今回は外資系の経理における、契約形態の違いについて説明していきたいと思います。こちらは、経理特有の論点という事ではないのですが、他の部門も同じ整理で区分されているか、が分からずなので、経理、としています。

外資系と日系企業の違いは、年功序列 vs 成果主義と賃金制度の面で比較されることが多いのですが、それと同様にヘッドカウント管理(人員数管理)の厳格さが異なります。外資系の場合は、各部門ごとに厳格にヘッドカウントが決められており、基本的にはここを柔軟に対応することは出来ずとなります。

そのため、予算作成の段階で、ヘッドカウントの追加が必要な場合、部門長が人事や本社に対してプレゼンテーションを行い、ヘッドカウントを獲得する、という事が非常に重要になります。そして、さらに難しいことに、いくら緊急性や重要性があったとしても、業績自体が悪ければ、簡単にヘッドカウントが減らされることもあります。特に、経理部門などは、営業部門などと異なり、数字を挙げる部署ではないため、他部門に対して必要性を理解してもらうのも大変であり、管理部門のなかでも特にヘッドカウント増員が難しい部署になります。

こう見てみると、打つ手はないのでは、とも思えるのですが、そんなことはなく、それが今回のテーマになります。
今回、正社員、派遣、契約社員、アルバイト、そして業務委託という視点でまとめたのが以下になります。なお、こちらは法的な観点からの厳密な区分ではなく、一般的な外資系中小規模の会社の実務対応のケース、という事での記載になります。

こうしてみると、ヘッドカウント、という観点だけでみると業務委託一択という事になります。企業側から見た場合、業務委託の場合は有給の管理や社会保険の手続きなども不要なため、実務処理としては簡便で済む、というメリットもあります。

また、業務委託の場合、業務内容について柔軟な契約が締結できるため、必要な部分でかつ経理・税務などの専門性の高い部分のみ任せる、といった事も可能になります。