コラム

簿記2級の次のステップ – 1級 or 税理士 or USCPA?

仕事柄、簿記2級を取得した方からの、次の目指すべきステップについて相談されること、が多くあります。今回のコラムでは、この点を取り上げてみようと思います。

まず結論から言うと、選択肢がどれも並列の場合でかつ税務に興味がある方、に対しては私は迷わず税理士簿記論を勧めるようにしています。理由としては、主に以下の2点になります。

  1.  簿記論を合格すると、税理士の道も見えてくる&副業にも強い
  2.  法人税を合格した際の履歴書上のインパクトも強い

1点目については、1級、USCPAではそれだけでは独立できないため、合格後の資格の活かし方が限られてくるものの、税理士は副業での税務相談なども行えるため、汎用性が高いためです。2点目については、企業側での経理・財務の採用側の観点からなのですが、経理・財務のなかで、一番専門性が問われるのが税金分野になります(金融機関や商社の財務のヘッジやデリバティブなどももちろん極めて専門性高いですが、ここでは一般の小売業を想定します)。そのため、法人税を合格している税理士の場合、1級及びUSCPAと比較すると、税務に関しては頭1つ抜けてる感じがあります(ここは私見ですが)

もちろん、1級やUSCPAを勧める場合もあり、それは以下のようなケースです。

1級:日本の大企業などに勤務しており、工場会計や連結決算に従事している

USCPA:外資系でのキャリア構築を考えている。税金分野に興味がない

1級のケースは、試験範囲が連結決算、設備投資の意思決定など管理会計もフルに入ってくるので、そのあたりの会計論点を触れる可能性が高い大企業などには、とても親和性高いと思います。逆に、外資系の場合は、1級のレベルの会計知識が必要になるケースがほぼないため、実務上活かすのが難しい場合が多いです。

USCPAについては、外資系では結構見かける資格の一つです。外資系で働く場合、特にUS基準を利用しているアメリカ系の外資の場合、学んだ内容をダイレクトに生かせる(英語含む)という利点はありますが、一方で、合格者の方も多いので、マネージャー以上を目指す方、には差別化という意味では少し弱いかもしれません。あとは、やはり日本の税制(特に法人税)が科目に入ってこないので、ここは別にキャッチアップの必要があります。

では、実際、私の周りにいるかた、最終的にどの勉強をしている方が多いか、というとダントツでUSCPAになります。これは、私の勤務先が外資系のため、英語力と会計・監査知識の証明となる、USCPAを目指す方が多いのかな、という気はします。

悩んでいるかたへ、少しでも参考になりましたら幸いです。