コラム
【2025年6月期速報】リシュモンQ1決算‐宝飾が牽引しグループ全体は6%増
売上ハイライト(2025年4〜6月)
- 全体売上高は€5.41 billion(約6%増、実際レート+3%)に達し、アナリスト予想を概ね上回る結果に
- 宝飾ブランド(カルティエ、ヴァンクリーフ&アーペル等)の売上高は€3.914 billion(+11%)で、3期連続の二桁成長
- 時計部門は€824 million(−7%)、前年同期比マイナスながら対前四半期の−11%から改善傾向
- ファッション&アクセサリ部門は小幅減の−1%(€674 million)
前回の2025年3月期はラグジュアリー業界全体としてはブレーキがかかる中での今回の6月期。リシュモンの売上6%増加は驚異的です。恐らくLVMH及びケリングは前回3月期と同程度若しくは下がると想定されるなか、逆に増加しているということで好調さが際立っています。
地域別の展開
- ヨーロッパ:+11%(€1.295 billion)
- アメリカ:+17%(€1.335 billion)
- 中東・アフリカ:+17%(€524 million)
- アジア太平洋:横ばい(中国・香港・マカオが−7%、その他アジアが補填)
- 日本:−15%(前年同期比。前年の+59%からの反動)
アメリカの20%近くの増加が一番目立ちます。アメリカ市場は厳しい状況と言われておりトランプ関税の影響などもあるなか+17%は目を見張ります。唯一の日本の2桁減ですが、これは昨年が非常に高い水準であったため売上停滞という事ではなくインバウンドも適正水準に落ち着いて来た影響なのではと推察します。
アナリストの見解
- フォントベルのJean‑Philippe Bertschy氏:「宝飾部門の“dominance and robust growth”に安心感」
- DBのアナリスト:「宝飾需要の継続がこの四半期を牽引」
- Citi:金・為替の動きを見据え、さらなる価格調整を検討中
※本記事で使用した数字は、リシュモン公式プレスリリースおよびロイター、Vogue Business、FT、WSJなどの報道を元に作成しています。