Cartierウオッチ展から見る今後のラグジュアリーブランドの展示会の方向性
現在原宿で開催されているCartierのウオッチ展のイベントに参加したので、今回のブログで取り上げるとともに、今後のラグジュアリーブランドの展示会の方向性について、考えてみます。
まず、イベントについてはまだ開催中なので簡単に情報記載しておきます。
『TIME UNLIMITED – カルティエ ウォッチ 時を超える』
会期/2023年9月15日(金)〜10月1日(日)
※9月21日(木)12:00〜16:00は貸し切りのためクローズ
営業時間/12:00〜20:00(最終入場19:30)
入場料/無料(予約制)※入場にはカルティエLINE公式アカウントより事前予約が必要
住所/東京都渋谷区神宮前 6-35-6
Cartierウオッチ展の内容
場所は原宿駅すぐそばで、カルティエレッドが目立つ外観でカルティエのイベントであることが一目で分かる形に。
たまたま空いている時間帯だったようで、その場で予約して入場している方もいらっしゃいました。
こちらは、入場してすぐの場所に展示されていたカルティエの定番腕時計ラインの一つ、サントス。
こちらのコーナーは触れることはできず、見て楽しむコーナー。サントス以外にも定番の時計がいくつか展示されていて、写真撮っている方も結構いました。
こちらは前の写真の次の部屋になります。
デジタルにて、定番時計のデモ表示がされている、次の小部屋。実機の次にデジタルという並びも面白いと思いました。
下の写真が一番驚いた場所であり、一見すると通路なのですが、天井部分にまでおよぶ説明が表示されており、目でも楽しむエンターテイメント性の高いパート。
後半は、VRでカルティエの工房を体験できたり、実際に時計の実物に触れることもできたりと、体験を重視したスペースのように感じました。また、写真が撮れるスペースもあり、私の訪れた際には、一番混んでいました。写真を撮るとかなり邪魔になりそうだったので、このスペースは撮らず。
今後のラグジュアリー業界のイベントの方向性
上記まで見てきたとおり、カルティエウオッチ展は単なる展示会に留まらず、体験型のイベントになっていました。グッチ展でもバッグが触れるようになっていたりショートムービーの上映がされたりと、今後は単に”展示”するのみではなく、”体験型の展示会”が一つのキーワードになるように思います。
つい先日のパテックフィリップ展との違いとしては、パテックフィリップ展が実際に技術者の方が来場して一部工程を見せる、というパフォーマンスがあったのに対して、カルティエ展はその代わりVRにより工場の様子が見られるという形になっていました。全体的にパテックフィリップ展が圧倒的な作品量の展示でクラフトマンシップで魅せるのに対して、カルティエ展は少しエンターテイメントの要素も交えて、という感じがしました。これらは、優劣があるものではなく、どのような層をターゲットにするか、で変わってくると思うので、この点は今後も両方併存して、という形になると思います。
マーケティングの視点から
最後に、少しマーケティングの視点から。パテックフィリップ展のところでファイナンスの視点からも取り上げているので、興味があるかたは下記リンク先もご覧ください
パテックフィリップ展- ファイナンスの観点から解説 – 田村宏明公認会計士事務所 (tamura-cpafirm.jp)
このブログでは、重なる箇所は省略して記載します。このイベントの目的の一つとしてポテンシャルカスタマー層の把握、が恐らくあると思います。今回私自身も予約してみて感じたのですが、LINEで予約の際に結構入力箇所が多く、これらもデータとして当然蓄積されていると思います。
どの年代の人が興味を持っているのか、男性なのか女性なのか、などが明確に分かるとともに、今回イベントが”時計”に絞っているので、カルティエの中でも特に”時計”に興味のある方、がどの層なのか、という潜在的顧客分析も可能になります。
このような潜在的顧客情報は、今後どのようなマーケティング施策をどのターゲット層に対して打つのか、というのを決めるうえでも非常に重要な情報になります。いままでラグジュアリー業界ではジュエリーやファッションの展示会が多かったのですが、今後は時計の展示会も増えていくのでは、と今回イベントに参加してみて思いました。
引き続きトレンドについては、注目していきたいと思います。