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LVMH 2026年第1四半期決算:中東情勢や為替の逆風下でもオーガニック成長+1%を維持、時計・宝飾品部門が牽引

1. 全体業績:為替のマイナス影響を跳ね返し、本業は成長を維持

  • 2026年第1四半期の**総売上高は191億2,100万ユーロ(約191億ユーロ)**でした。
  • 大幅な為替のマイナス影響(▲7%)を受けたことにより、報告ベースでの売上高は前年同期比▲6%となりましたが、オーガニック(本業)ベースでは前年同期比+1%の成長を達成しています。
  • 中東における継続的な紛争の影響を受けた世界環境の中においても、オーガニック成長を維持する結果となりました。

2. 地域別の動向:アジアと米国が成長を牽引

全体の売上を地域別にみると、特に中国を含むアジアとアメリカの需要改善が全体の成長を支えています。

  • アジア(日本除く): オーガニック成長率 +7%。グループ全体の売上構成比の32%を占め、最大の市場として堅調な成長を示しました。
  • アメリカ: オーガニック成長率 +3%。売上構成比は23%を占めており、需要の改善が見られます。
  • ヨーロッパ: オーガニック成長率 ▲3%。現地の需要は底堅さを見せています。
  • 日本: オーガニック成長率 ▲3%(売上構成比8%)でした。

日本については、引き続き円安ではあるものの昨年がすでに売上高い水準であったため、その時点と比較するとマイナスである点もそこまで深刻に捉える必要はないかと思っています。

3. 部門別のハイライト:時計・宝飾品の力強い躍進

  • 時計・宝飾品部門(売上高24億4,300万ユーロ / オーガニック +7%) 全事業の中で最も高い成長を記録しました。ティファニーの「ハードウェア(HardWear)」「ノット(Knot)」といったアイコンコレクションや、ブルガリの主要ラインが非常に強力な成長を牽引しています。
  • ワイン・スピリッツ部門(売上高12億7,300万ユーロ / オーガニック +5%) シャンパンが年初から好調な滑り出しを見せたことに加え、旧正月(春節)のタイミングと好業績がアメリカの軟調な需要をカバーし、成長に貢献しました。ワイン・スピリッツは長らくマイナスでしたが、CEOが元グループCFOへと交代したのも良い契機となった可能性があります。
  • セレクティブ・リテーリング部門(売上高40億4,800万ユーロ / オーガニック +4%) 美容専門店のセフォラ(Sephora)がすべての主要市場で堅調な勢いを示し、店舗網の拡大も継続しています。
  • 香水・コスメティクス部門(売上高20億3,800万ユーロ / オーガニック 0%) 「クリスチャン・ディオール」や「ゲラン」が好調なパフォーマンスを示しました。特にディオールの「ジャドール(J’Adore)」の継続的な成長やメイクアップ製品が牽引しています。
  • ファッション・レザーグッズ部門(売上高92億4,700万ユーロ / オーガニック ▲2%) アメリカや中国の需要は改善傾向にあるものの、中東情勢の影響を受けマイナス成長となりました。一方で、ルイ・ヴィトンのモノグラム・キャンバス130周年の取り組みや、各ブランドのクリエイティブ刷新に伴う新製品への反応は良好です。プレゼンテーションに日本のDiorの代官山のものが1枚丸ごとで利用されていたのも印象的でした。

4. 今後の展望

LVMHは、マクロ経済や地政学的な不確実性に対して警戒を怠らない姿勢を示しつつも、市場シェアを拡大するための優れたポジションにつけていると総括しています。LVMH, Kering, Richemontの3社のなかでは、LVMHが最も業績発表が早いため、ラグジュアリー業界の先行指標としての意味合いも持っています。

上記部門別の状況から鑑みると、時計・宝飾中心のRichemontが引き続き今回も好調であると思われますが、その点も併せて注視していきたいと思います。