コラム

AP(買掛金)とAR(売掛金)のスキルの優劣について

Account Payable(買掛金)とAccount Receivable(売掛金)のどちらが専門性が高いのか、あるいは難易度が高いのかという質問を受けることが良くあります。

結論から言うと業界などにも左右されるため、一概ににどちらが専門性が高い or 難易度が高いという事は言えません。ただ百貨店や路面店&卸売りのビジネスも行っている外資系企業と言う観点では、ARの方が若干専門性が高いと言えます。

これは、上記のような小売&卸売りを並行で行っている企業の場合は経理の論点としても

  • 収益の認識基準 (百貨店・路面店・卸売り・E-comm)
  • 百貨店売掛金の消込
  • 滞留債権と貸倒引当金
  • 与信管理

などが存在しているため、採用の際にもJD上小売経験者をMust Haveとして加える事が多くあるためです。

では、APの方が簡単なのかというともちろんそうではなく、APはむしろ小売業界に限らず他業界にもスキルを活かしやすいという事を考えるとポータブルスキルとしては優れていると言えます。

特にAP担当のかたは、毎月支払い期日に遅れないように関係各部署とコミュニケーションを取りつつ請求書を処理して、送金処理を実施するという事で高いスケジュール管理能力が要求されるのと、企業の全活動を請求書をとおして知ることが出来るため、企業活動を把握できるというメリットもあります。

キャリア上の優劣があるかという観点では、私がいままで外資系の小売業界で15年ほど働いて色々な職場を見てきた限りではAR担当からもAP担当からもマネージャーに昇進されている方はいたので、特に両者の間でのキャリア上の優劣は個人的にはないと思っています。